ゲームとマンガを消費し続けた存在が、人間関係もねらっていくにあたっての備忘録です

スクエニの専務のお話が聞けてうれしかった話

 やっと時間ができた。今回は完全にゲームの話です。なんてったって、もう二週間以上前のこと。

 スクウェア・エニックス・ホールディングス専務執行役員こと橋本真司さんの講演を聞く機会に恵まれた。タイトルはまんま「ファイナルファンタジー30周年を振り返る」。30周年なんですよね。終わるはずだった物語が30年。橋本さんを知らない人は

橋本真司 - Wikipediaでも読んでください。あんまり情報がないんですが、Ⅶ以降ほぼすべてにかかわってる人です。ITCイノベーターとしてのゲーム業界からの参加という形なので、企業、事業としてのゲームのお話ですね。

 

 はじめに態度を明確にしておくんですけど、僕はキングダムハーツが大好きです。厨二病は治らない。まあ確かにFF13レベルの神だの云々が生理的に無理って人もわかるけど、俺は大丈夫だ。キングダムハーツはいいぞ。大丈夫、分かり合えなくても気にするな、俺も無理には勧めない、いくぞ。

 

 いくぞとは言ったんですけど別にFF各論とかをするつもりはないんですよ。長いし。そんな暇あったらソーセージレジェンドか大胸筋RPGやります。あ、これスマホの良ゲー(要出典)。頭が悪いのでおすすめです。よし。はい、開幕当初はもちろんあれです、FF15のお話から始まりました。しかしまあ、お察しというか、そもそも場が場だったのでゲームを普段からする人が少なかった。ドラクエをやったことある人って質問でノリノリで手を挙げた方がめちゃくちゃ好印象だった。どうでもいいな。FF15は叩かれてるっていいますが、僕は基本CMやパッケージを見て自分の心で決めるので人の評価は見ることはないんですが、掲示板とかで叩くのってなんか本当にダサいですよね。お前に何がわかるんだ感がすごい。このお前に何がわかるんだ感がすごい2017。それにひきかえ中の人のお話は説得力がありました。以下箇条書きでトピックを。

FF15PS4も売れているという話

 PS4。売れているらしいですよ。確かに日本で話を聞かない割にソフトのラインナップは魅力的だとおもってた。FF15も売れているとのこと。へえ。そうらしいんだよ。つまりその、海外で。日本のコンシューマーゲーム市場は今とっても小さいらしい。そもそも人口に占めるゲーマーの割合が少ない。結構やるってひとも10%程度。対し北米では人口の半分近くがゲームをするとのこと。いや驚いた。なんだろうな、土地がでかいから友達の家にチャリで行けないのかな。ヨーロッパもそれなりにみんなゲームやってるそうです。逆に日本ではスマホゲーム市場がバカみたいに大きい。9700億円、アメリカとほぼ同規模だそうです。人口考えろよおかしいだろ。理由はわからないけど、橋本さんの個人的な印象では日本は通勤時間における何もできなさがすごいそうだ。路線網が複雑で集中しており混雑、短くはない通勤時間にできることがスマホを触ることくらいしかない。一理ある。にしてもやっぱりソシャゲは収益がすごいらしいです。僕は通信環境などの問題もあってソシャゲはやらないんですが、課金の単位があり得ないそうですね。で、話戻ってFF15、売り上げは先月もアメリカだけで700万本突破だそうで。まだまだ売れてるし利益バンバン出てるとのことです。お話を聞く感じ日本は見てないって感じでした。日本国内でみれば騒がれていたとおりなんでしょうがね。国内売り上げという点でAAAタイトルのゲームを見るのはもう遅いのかもしれない。国外の話で思い出した次の話。

・FFの顔がホストなのはなんで

 ありますね、美形すぎやろ問題。や、僕そこまで気にならないんですけどねあれ。だってキャラクターが不細工だったら厳しいでしょう。なんでマリオの鼻はでかいんだみたいな的外れな指摘を感じる。そういうもんなんだと思えばいいじゃんかね。でも面白かった話としては、あれはドラクエとの完全な差別化を狙ったものだということでした。FF6まではぶっちゃけドラクエとFFの区別は外人にはつかなかったらしいんですね。ドット絵だと海外ではみな同じに見えたという。で、FF6は海外で売れなかったらしい。世界的に受け入れてもらうことが橋本さんがFF7にかかわるにあたっての前ディレクターからの宿題だったとのこと。ドラクエは世界の鳥山明がバックについているから。でも国内ではドラクエの圧勝だけれども実際の売り上げではFFの方が上だとのことでした。さっきの国内ゲーマーの少なさの話とかかわってくる。あれでもFF15はだいぶ日本よりで、完全に海外ユーザーを考えると男はみんなゴリマッチョにすべきみたいな話もあったとか。

・国外展開という話

 先ほどもあげたように、欧米での売り上げってふつうに黒字らしいんですよ。任天堂が死んでる中もスクエニは悠々と黒字決算だったからな。で、ゲーム業界にはアジア展開、ひいては中国という最大市場が未開のまま残されているという話題があって(中国ではそういうのが輸入禁止されているので)。ここでどうせめるかみたいなことを仰っていた。あとシンガポールだったか台湾だったかから密輸されてるらしくて統計データがあてにならないというかあわせて考える必要があるとかなんとか。

コンシューマーゲームで収益を上げるとは

 FF15も開発に10年かかっている。10年て。引くわ。今ではある程度の規模のコンシューマーゲームは百億円規模が当然となりつつある。でもソフトはめちゃくちゃ高くはできない。じゃあどこで稼ぐか。やっぱりグッズ化が一番大きいそうです。あとメディアコラボ。FF15もカップヌードルとかとやってたね。あとはブランド力。FF13とルイヴィトンのコラボとか検索するとありますからね。FF7ACとかいうあの映像作品もカンヌまでいってるし。大手は叩かれがちですけど、30年ってやっぱすごいわけで、ちょっと前までスマホアプリで一山あてた若手社長らが最近ちょくちょく面会に来るそうです。そのノウハウというか、精神みたいなのを聞きに。

・携帯ゲーム機の将来

 これは僕が直接質問した。難しいところだそうです。子供に最初に与えるゲームとしての携帯ゲーム需要はまだなくならないとのこと。その点子供、家族向けの市場展開ができている任天堂は強いと。でも橋本さんも2DS には苦笑いしてましたね、次元が上がるのはわかるが、次元が下がる新商品は初めてだと。あれはあれでなんだかんだうまくいってるらしい。子供向けといえば、FFのちびキャラが活躍するやつ、あれは北米ではなかなかヒットしてるらしいです。ユーザーの年齢層が上がりすぎてしまったことはスクエニの課題っぽい。まあやろうとおもえばハードは気にしなくていいのがサードパーティとしての圧倒的強みなんだろうけれども。Vitaはもう、本格的に手が付けられない状態みたいですね…残念すぎる。ソニースマホゲーム向けの子会社を一つ独立させ、そこにVitaとかの開発メンバーが入ってるとのこと。どうなっていくんだろうね。

 

 だいたいこんなもんかな。あと印象に残ったのは全くゲームをやらない女性からの質問でそういう層とどう向き合うのかみたいなのがあって、それに対して東京ガールズコレクションの横ブースで刀剣乱舞のイベントカフェやってて、どっちも満員だったみたいな話をされていた。つまりいわゆるオタク文化はもうどこまでも浸食してきていて境界はないんじゃないかと(これは質問者のかたの言い方が少し挑発的だったのもあった。あとゲームは男の子のやるもの、みたいな意見も述べられていたのに対する返答の意味合いもあった)。

 

 全体としてとても面白かった。よかったです。